恐怖怪談集0014

無邪気な園児たち

 
友人のAさんの体験談です。もう20年以上も前の事です。

ある夜、男女数名で深夜のドライブを楽しんでいた時のことです。

大阪のK市のある川沿いの道を走っているとき、

一人が暗闇の河原に人影らしきものを発見したのです。

みんなもそれに気づき 「なんだろう?」 と言って車をゆっくり走らせ、近づいてみました。

そこには子供達数人が、幼稚園の制服姿で河原にしゃがんで、砂遊びのような事をして遊んでいました。

友人達は、子供達の近くまで来ると車を徐行しながら、声を掛けました。

「僕たちぃ〜!こんな時間まで遊んでたら、危ないよ〜。」

「早くおうち帰りやぁ〜!」

その声に、遊んでいた子供達全員がこっちを向いたのですが・・・・・。

その子供達の目は窪んだように真っ暗で、顔がはっきりせず凄く不気味だったのです。

友人達は怖くなって慌てて、その場から立ち去りました。

走って暫くすると、一人が 「今の・・・・・子供達なんだったん?」

「・・・こんな深夜に幼稚園児が、遊んでいるのはおかしいよな・・・。」

「近くに大人がいた様子もないし・・・。」

「あんな暗闇で遊んでいるのはおかしいよ。」

口々にそんな事を言い合い、しばらく川沿いの道を走っていると、

道の向うにある草むらに大きな黒い塊があるのを発見しました。

車がその横を通り過ぎる時それを見ると・・・

それは、ボロボロになった通園バスだったそうです。