恐怖怪談集0016
とおせんぼ
Nさんの話。Nさんの自宅は駅から歩いて20分程かかります。 駅からの帰り道には、小さな池があり、側には墓地があります。 道幅は、車一台が通れる程しかなく、昼間でも人通りは、それほど多くありません。 周りには古い住宅がいくらか建っていますが、池と墓地がある為、夜は少し不気味な雰囲気があります。 ある夜、駅からの帰り道、時間は随分遅かったそうです。 墓地の近くに差し掛かると、子供が3人並んで立っていたそうです。 その子供達の年齢は3才くらいの小さな子供から、小学生低学年くらいの子供達だったそうです。 Nさんは、すぐ側の住宅の子供達で、兄妹か何かだろうと思い特に気にもならなかったそうです。 子供達は、狭い道幅に横一列に並んでNさんを通さないようにしてきたのです。 Nさんは、困ったなぁと思い、「どいてぇ・・通してぇ・・。」と言いました。 すると、その中の一人の子供が・・・ 「今日、何月何日か知ってるぅ?」 そう聞いてきたそうです。 Nさんは訳の分からない質問と、なかなか通してくれない子供達に少し苛立ち、 何も答えず子供達の間を通り抜けたそうです。 そして早足で歩きながら、ふと思ったそうです。 (・・・・・今日?) (・・・・・・・・・8月・・・・。) (・・・お盆かぁ。) ちょうどお盆の時期だったのを思い出して、ゾッとしたそうです。 そして振り返ってみるともう、そこに子供達は居なかったそうです。 「子供達は・・・実在したのか?それとも霊だったのか? 本当のところは分からないけど・・・・・・。とにかく不気味で怖かった。 終電かそれに近い電車で帰ってきたので、かなり遅い時間だったのに、 いくら近くに住宅があるといっても、そんな時間に子供達だけで、あんな場所に立っているのはおかしい。 しかも、中の一人は赤ん坊を抱いててん。」 Nさんは話してくれました。 |