恐怖怪談集0018

九州の犬鳴峠

 
 関西で超有名な心霊スポット「犬鳴山」。温泉街が続く道を少し逸れ、山道に入ると「犬鳴隋道」が
現れる。

 そう、俗に言われる「犬鳴の化けトン」である。関西ではこのトンネルの恐怖話が数多く語られているが、九州にも「犬鳴山」があるという。

 しかも九州の犬鳴山のほうが、全国的に有名で、段違いに怖いらしい。

 稲川淳二氏の作品でも紹介されていたが、とにかく霊気ビンビン危険度AAA級であることは伺えた。

 しかし何分関西から遠く、そのウワサも微かに聞こえる程度だったのだが・・・・私、黒犬と同じ職場で働くA氏が九州出身であることを思い出し、聞いてみる事にした。

 なお、A氏は職場仲間内でサーバー管理者(遠隔地から、みんなで接続して使うPCの管理者)であり、けっこうお世話になっている。誓って私のような心霊オタクではない。

 A氏が20代前半の頃、心霊スポットに車やバイクでよく訪れていたという。九州最強の心霊スポット「犬鳴山」に行ったのも、そのころだという。ここからA氏に聞いた話を掲載する。

 ・・・・・・・・・・犬鳴山を車で上っていくと峠がある。そこから旧道に逸れた所に、「犬鳴トンネル」があるという。(あまりにも関西の犬鳴トンネルと同じ構図にびっくりだ。)

 トンネルは通行止めになっており、昔、入り口は土嚢で塞がれていた。しばらく経って、侵入者が跡を絶たないため、現在のようなコンクリートの塊で塞がれている。

                       ←こんな感じだ。

 このトンネルは「手彫り」のような感じで彫られていて、かなり分厚く壁がいびつだという。
A氏はとある日の夜中、4〜5名はいただろうか・・・仲間と一緒に訪れた。

 ・・・・車を止め、トンネルに近づく。

 かなり大きなトンネルなので、みんなで横一列になってトンネルに向かった。

 ・・・・ゆっくりと、トンネルに近づく。

             と!突然、後ろからぐいっと強い力で押された。
 
 腰
のあたりをぐいっと、確実に押し込まれたという・・・・・・・。

   それは、まるで、トンネルに引き込まれるかのようであったという。

 ・・・・・また、別の日に車でトンネル内を走行中・・・・・

     突然車内の明かりが全て消え、真っ暗になった事もあるという。

 その時はパニックになりながらも、必死でライトスイッチをガチャガチャいじり、事なきを得たらしいのだが、一つ間違えれば大事故になっていたかもしれない。

 また、女の子を何人か連れていけば、必ずそのうちの誰かの気分が悪くなるという。

 話は変わるが、この犬鳴峠には、現在使用されている「新トンネル」もあり、そちらも何かしらの怪談があるらしい。・・・・1本のトンネル内部に左に逸れる抜け道のような所があり、しかもその奥は行き止まりで、急に森が現れるという。地元九州では、その辺りに霊気が立ち込めていると、もっぱらのウワサであるという。

 ・・・・・本場、九州の「犬鳴トンネル」。是非、行ってみたいものである。