身の回りの怪談0002

ある夏の日


 ある夏の日、私はお風呂から上り、扇風機にあたって涼んでいた。

 ついでに髪なんかも乾かしながら。

 ・・・外は虫の鳴き声が聞こえるだけでとても静かだった。

 その日、子供たちも泊り掛けで出かけており、家の中もとても静かだった。

 そんなとても静かな中で私は一人涼んでいた。

 主人はその時、洗面所に居て、私とはリビングを挟んで離れた場所に居た。 

 扇風機の音だけが

 プーーーーーーーンっと部屋の中で響いてた。 
  
   「 おいっ 」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・(男の声)

 小さな声だけどはっきり聞こえた。

 ・・・・・・・・(外?)

 ・・・・・・・・・・・・・・・(部屋の中から聞こえた)
 
 私は動きを止めて固まった。

 固まりながら段々怖くなっていって、すぐにその場から飛び出して行きたかった。

 でも、何故か今すぐ動く事の方が怖かった。

 そおぉぉぉと立ち上がり主人の居る洗面所まで走って逃げた。