身の回りの怪談0003

 移動するもの(2)


 ごくごくいつもの夕食後、リビングで家族全員、テレビを見ていた。
  
 隣に座っていた主人と話をしていると、リビングのガラス越しすぐ向こうに

 すぅぅーーーーっと
 
 ピンポンだまサイズの黒い塊がゆっくりと落ちて行くのが見えた。

 ・・・・・・・

 「何?今の・・・。」  

 「何か落ちてきたなぁ・・・。」
 
 二人同時に見たので目の錯覚ではない。

 すぐに確認する為リビングのドアを開けた。

 ・・・・そこには何も落ちていない。

 いつもと変わらない廊下があるだけ。

 もし、ドアが開いていたら、その正体は分かったのだろうか・・・?