身の回りの怪談0005

箪笥部屋の怪音(其の二)



我が家の怪現象は又何かをきっかけに起こりだした。

子供部屋と箪笥の置いてある部屋は引き戸で仕切られている。
 
箪笥が置いてあるその部屋には、化粧台があり、私は朝の洗顔後や、風呂上がりに

この化粧台の前にやってくる。

それ以外にも、箪笥から着替えを取りに来たり、この部屋にはベランダがある為、

洗濯物を干したり、取り入れたりもする。 

 この部屋で用事や、化粧などをしていると隣の子供部屋の音は丸聞こえである。

 そして、子供部屋からも、この部屋の音が丸聞こえである。


 ある夜、子供達は、もう寝ようと布団に入っていた。

暫くすると・・・・その隣の部屋から、

 化粧水などをパタパタと塗っている音や手に塗っている擦る音が聞こえてた。 

 私が部屋に入って行く音や気配はしなかったのに・・

そんな音がいきなり聞こえてきたのである。

 前日の怪現象の事もあって、子供達は少し音に敏感になっていた。

暫く二人でその音に聞き耳を立てていた。





長男) 「・・・お母さん、いてんのかなぁ?・・・・・・・開けて見よか?」

二男は頷き、二人でドアをそっと開けて覗いてみた。

・・・・・・・・

しかし、電気は点いておらず、真っ暗である・・・・・・・。

 気持ち悪くなってドアを閉め、私の居る寝室まで二人でやって来た。
 
長男と二男は私に口を揃えて言った。

「いつもお母さんがやってるのと同じようにパタパタ、スリスリってやってたよ。」


・・・・・・・・・。