身の回りの怪談0006

私?



箪笥部屋で起こった怪現象、その時の子供達の最後の言葉に

主人はある事を思い出し、そしてある事を思った。

 
 ・・・・・この話は箪笥部屋での怪現象から何週間か前に主人が体験した話しである。


 深夜、もう電気も消えたリビングで、一人ぼんやりと換気扇の下でタバコを吸っていた。   

 吸い始めて暫くすると白っぽいものを着た女が、

 すうぅぅぅ〜〜〜

っと目の前にあるダイニングテーブルの向こう側を通って行った。 

 薄暗い中で顔は分からないが、着ている物が私に似ていたので、一瞬、私だと思い

声を掛けた。

 ・・・・声を掛けるのと同時に、頭の中で

違う・・」

と分かったらしい。

それは目の前を通った後、子供部屋の前で消えた。
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・。


 その頃、私は寝室に居た。

眠ってはいなかったが、もう布団の中だった。

 主人は寝室に戻って来るなり

「一応、聞くけどこっち来てないよな?」

私ではないと分かっていながらもそんな質問をしてきた。

「・・・・・・今白いネグリジェみたいなん着た女の人見た!」
 
「えっ!!!!」

 私はすぐリビングに様子を見に行った。

特に変わった様子はなっかた。

いつものリビングだ。

子供部屋の前で消えた事が気になり、子供部屋のドアを開けると

布団の中で長男はまだ起きていた。

「何も変わった事無かった?」と聞くと

何も無いと言う。

長男には、一応話しといた方がいいかと思い、今主人が見たモノ・・・

それが子供部屋の前で消えた事を話した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・やめてぇぇやぁぁ・・・。」

と長男は凄く気味悪がっていた。

 
主人はこの時の女の事を思い出し

自分の見たモノ、子供達の聞いた音、色々続く怪現象は

私の生霊???と思ったらしい。