身の回りの怪談0012

怪音色々 



某年2月13日・・・   夜、眠ろうと電気を消し布団に入るとすぐ、寝室の前の廊下から何か気配がした。
 
 耳を澄まして聞いていると、微かに歩いている様な音が聞こえてくる。

 (・・・・・・・泥棒?)

 私は寝室のドアをそっと開け、すぐ側にある廊下の電気を付け確認した。
 
・・・・・・・・・・・・・・

(誰も居ない・・・・・。)

 寝室の前の廊下の向こうには、リビングの扉がある。 
 
私はいつも眠る前にその扉は閉めるようにしている。

 ・・・・・・・・・・・・・・。

その閉めた筈の扉が開いていた。
 
 (他の部屋はどうなっているんだろ・・・?)

そっと他の部屋を見て回った。

・・・窓やベランダの鍵はきちんと掛かっていた。         
 
 子供部屋を確認しに行くと、まだ長男が起きていた。
 
 リビングの扉の事を聞くと

「さっき、自分が寝る前に見た時は閉まっていた。」と言う。
 
 閉めた筈のリビングの扉が開いていた事は気持ち悪かったが

鍵も掛かっている事も確認したので もう眠る事にした。 


 翌日の夜・・・・寝ようと布団に入るなり家鳴りが凄い。
 
 昨夜の気持ちの悪い気配について主人と話していた。

 突然、私の脇にある本棚が、ガタン!と 凄い音を立てて一瞬揺れた!

 地震!?・・・・・思わず悲鳴を上げた。

 ???・・・・・・・揺れはその一瞬だけ。
 
 うちの本棚は結構大きいし、中には本がぎっしり詰まってる。

簡単には動いたりしない。      
 
 結果、その本棚しか揺れておらず、地震ではなかった。
 
 子供部屋の方は何も起こらなかったか確認しに行くと、

長男が、おかしな音がして気持ち悪くて眠れないと言った。
 
 勉強机の下を・・・・・・カツッ・・・・カツッ・・

と不規則に叩く様な音が暫く聞こえると言う。
 
 ・・・・・勉強机の下に何かが潜んでいるのではないか?

 怖くなって布団を被っていたと言う。
  
 
 ・・・一週間後の夜

この日は土曜だったので夜遅くまでテレビを見ていた。

 布団に入ったのは、深夜1時頃。
 
 ・・・・・・・・・うるさくて眠れない。
 
 ビシッ・・パキッ・・・家鳴りが凄い。

時々、窓を外から押すような音までする。
 
 音という音が気なり出して止まらない。
 
 キリが無いので、早く眠ってしまおうと思った時、
 
 洗面所の方でガシャーン!物が落ちる音がした。

かなりはっきり聞こえた。

 洗面所は寝室の真向かい、すぐに確認しに行った。

洗面所へ行ってみると ・・・・・何も落ちていない。    

 何か異変は起きていないか、心配になり子供部屋を見に行った。
 
 長男が私の気配で起きた。

・・・と言うか、さっきまでなかなか寝付けずにいたらしい。
 
 長男は少し眠そうな顔をして

「さっき、椅子が動いてん・・また机の下から音がするし・・何か
 黒い塊があるように見えるし・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・私が立っていた場所はちょうど机の前、足元がぞくっとした。

 見ると、勉強机の下はぼんやり暗かった。
 
・・・・・・気持ち悪かった。 

長男には、「また何かあったら言ってぇぇ。」と子供部屋を出た。
 
 翌朝・・・・・・・長男が「お母さん、昨日あれから、チリン、チリンって鈴の音がしてん。」と言った。 


 その日の夕方、私は又おかしなモノを見てしまった。

リビングで夕食の仕度をしていたら長男がトイレに行った。

 トイレはリビングを出てすぐ右側にある。

リビングから何気に見るとトイレのドアの前に白い長袖の服を着た手が見えた。
 
輪郭はぼやけた感じではあったが、肌色がはっきり見えた
 
「今、手見えた!」

慌てていると、二男が落ち着いた口調で「どの辺りで見えた?」と聞いてきた。
 
 見えた個所を説明すると

「やっぱっりなぁ。こないだ兄ちゃんが足見えた場所と同じやぁ。」

そんな話しは初めて聞く。
 

 いつだったか、長男がリビングでラーメンを食べていた時、うつむいた視線の端に

片足だけが見えた事があったらしい。
 

 そのまた翌朝、長男、二男が登校した後、

小学校一年生の娘だけまだ用意が出来ておらず
 
私と二人リビングに居た。
 

 突然、・・・・・ピロン

ピアノの様な音が隣の子供部屋から聞こえた。

・・・??

 
 うちにはピアノがない。
 
 娘もその音をはっきり聞いている。
 
 ピアノがあるなら、まだ分かるけど、存在しないモノの音がするのは不思議。
 
 その時、長男が言ってた鈴の音の話を思い出した。

うちには鈴もない。