身の回りの怪談0022
見えない住人
それは、深夜にリビングでビデオ鑑賞している時に起こりました。 私はマンション一階の角部屋に住んでいるのですが、 上の部屋から、何か重たい物を置くような音が突然聞こえてきたのです。 その音は、暫く私達が居るリビングの上で鈍く響き続けていました。 上の部屋は空部屋で誰も住んでいなかった事を知っていた私達は、 「あれ?誰かもう、住んではんのかな?」と言いながら、今響いてる天井を眺めていました。 暫くすると、ドン!ドン!ドン!と叩くような音がして来たので、 (荷物の片づけ?) 「!!もしかしたら、私達のテレビの音がうるさくて怒って床でも叩いている?」 ビデオ鑑賞していた私達は、周りの部屋が空き部屋だった事もあって、 さほど音量を気にしないで観ていたのでそう思ったのです。 でも、その天井から聞こえてくる音はその後、ぱたりと止んで何の気配もしなくなったのです。 気になった私達は、上の階まで見に行くことにしました。 そこは、やはり空き部屋のままで、シンと静まりかえっていて、 人が居る様子はありませんでした。 その当時、私の部屋の隣、上、そのまた上、斜め上、そのまた上・・・と 次々と引っ越していき、私の部屋の周りは空部屋が多かったのです。 誰か空き部屋に侵入して居るのではないか? そうも考え、管理人さんに報告しました。 それから、暫く経ったある日、また、上の空き部屋からまた歩くような音や物音がして来たので すぐ見に行ったのですが、やはり行ってみると気配はなく、シンと静まり返っていました。 管理人さんに話そうと思っていた矢先、管理人さんの方から訪ねてこられ・・・・・ こんな話を聞かされました。 3階のある住人から連絡があり、「隣の空き部屋から時々ジャーと水が流れてる音しているけど、 誰か引っ越して来たの?」と聞かれたらしいのです。 管理人さんは、私からも物音の話を聞いていたし、何か気持ち悪いなぁ・・・ と思ったそうなのですが、調べない訳にもいかないので、 空き部屋を順番に見て回ったそうです。 「3階の人が言う隣の部屋見に行って水周り全部調べたけど、カラカラに乾いていてん。 水が流れた形跡なんか何処にも無かってん・・・・。」 |