身の回りの怪談0025

見えない住人?2 


ある朝、私はいつものようにみんなより一足先に起きて弁当作りなどの家事をしていた。
 
キッチンで洗物をしていると、水が流れる音の中に混じって、
 
鼻をすするような音が何度か聞こえきた。
 
 すぐそばに子供部屋もあるし、長男が起きたのだと思った。

(・・・・風邪気味かな?)

 私は頭の片隅でそんな風に思いながら洗物を続けていた。
 
・・・・・・

 すると突然! 

 私のすぐ背後で、勢いよく鼻をすする音がした。
 
 私はドキッ!として後ろを振り返った。
 
 ・・・・・・・。
 
 (誰も居ない。)
 
 今度は誰も居ないことに頭が混乱した。 

 私が固まっていると、長男が子供部屋から出てきたので、

「今さっき、鼻すすってたぁ?」と聞いてみた。

 「・・・・・・。」

 長男は眠たそうな顔で、首を横に振った。

 どうやら今起きたばかりのようだった。

 やはり我が家には見えない住人がいるのだろうか?

それから暫く経ってから、この出来事を長男に話してみると・・・・。

 私がこの体験をした頃、長男も誰かの気配をキッチンに感じていたらしい。

 手を洗おうと、キッチンに立っていると背後に気配を感じる。

気になって後ろを振り返ってみるが、そこには誰も居ない。

その直後、側にあったスーパーのビニール袋がガサガサと鳴った。 

気持ち悪くなって、いつものようにテレビを点けて気を紛らわしたらしい。