身の回りの怪談0004

箪笥部屋の怪音(其の一) 


 我が家は一番下の長女の入学に合わせて、子供部屋を変える事になった。
 
 空いた子供部屋は私達の寝室にする事になった。
 
 そして新しい子供部屋は、私達の寝室からリビングを挟んで向こう側にある。
 
 リビングを中心に子供部屋と私達の寝室が分かれている。
 
 新しい子供部屋は六畳が二間並ぶうちの一部屋になった。

 もう一部屋は箪笥と鏡台なんかが置いてある。

 その部屋は隣接して子供部屋と引き戸で仕切られている。 

 子供部屋を変えて暫く経ったある日の事

  私は新しい寝室で寛いでテレビを見ていた。

 風呂を済ませていた長男が髪を乾かしに洗面所の方に来た時
 
 少し開いていた寝室のドアを覗き、(洗面所の真向かいに私の寝室がある)

 私の姿を見て
 
 「・・・・お母さんずっとここにいてた?」と聞いてきた。
 
 もう、1時間程前からテレビに夢中になっていて、ずっと寝室に居た事を言うと、

 ?????????「え〜?・・・え〜?」

 と、長男は一人、頭を混乱させていた。 

 「ずっと居てた?」・・・・・・・・・・・・「ずっと?」
 
 何度も聞くので、「どうしたのか?」聞くと・・・・・

 お風呂から上がり、子供部屋で濡れた髪を拭きながら一息ついていた長男。

 弟,妹はお風呂に入っていたので、部屋は静かだった。

 暫くすると、子供部屋の方に向かって歩いてくるような足音がした。

 その足音は、子供部屋の隣の部屋の前まで来た。

 床の軋む音もしたという。
 

 そして、その隣の部屋に入って行ったような気がしたと・・・・・・。

 暫くすると、箪笥の扉が勢いよく開く音がした。

 さっき、誰かが部屋に入る気配は気のせいじゃなく、私が来たのだと思った。

 そして、髪を乾かしに行こうと、子供部屋から出てみると、

 隣の部屋の扉が少し開いていた。

 何気に覗いてみたら、電気は点いてはおらず、真っ暗だった。

 ・・・・・????? 

 (・・・あれ?誰も居てない。)・・・・・・・(おかしいなぁ・・・???)

 (来てすぐに又出て行ったのかもな?)

 そんなふうに、考えながら洗面所の方にやって来たのだった。
 
 そして、寝室で寛いでいた私に、確かめてみようと、聞いてきたのだった。
 
 私は「気のせいじゃないの?」と言いながら

 少しは気になったので、その部屋まで長男と見に行く事にした。               
 
(続く)