身の回りの怪談0004

箪笥部屋の怪音(其の一)


 (続き)

 私は、部屋の前まで行くと・・・・・・

(ひょっとして何かいたらどうしよう?)と、少し怖くなった。

 少し開いていた扉から、そっと中を覗いてみた。

 ・・・・・・・・・・・・・

 真っ暗でよく見えない。

 電気を点けてみた。

 ・・・・誰も居ない。
 
 部屋に入り一番最初に目に入ったのは箪笥だった。
  
 ・・・・・・・・・・・・。

  長男)「ほらなぁ・・・開いてるやろぉ。」

 長男の言った通り、箪笥の扉が開いていた。

 勢いよく開いた音。

 長男が言った通り、 洋服箪笥の扉、片方が目一杯開かれていた。


 中の洋服に押されて開いたのか?色々確かめてみたりもしたけど、

 どこもおかしな所はなかった。

 長男は、「誰かが部屋に入って行く気配がした。」と言っていたが、

 私が無意識で行ったのだろうか?そうも考えてしまう。

 テレビに夢中になっていたので寝室からは絶対出ていない。

 もちろん、外から誰かが入ってきた形跡もない。

 ・・・・この日から、この箪笥の置いてある部屋で人のいる気配が暫く続いた。